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鹿児島・坊津町秋目が007のロケ地!ショーン・コネリーが訪れた秘境漁村を徹底解説

鹿児島県南さつま市の静かな漁村、坊津町秋目(ぼうのつちょうあきめ)

人口わずか50名ほどのこの小さな集落が、世界的な人気を誇るスパイ映画シリーズ「007」のロケ地であることをご存知でしょうか。

1966年の夏、ハリウッドの大型撮影隊とともにショーン・コネリーがここ秋目に上陸し、半世紀以上が経った今も、当時のまま残る風景と記念碑が国内外のボンドファンを惹きつけています。

この記事でわかること

  • ロケ地の場所と背景
  • 秋目で撮影されたシーン
  • 知られざる撮影密話
  • 撮影記念碑とキッシー&ボンドの家
  • アクセス・観光情報
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Notsu Lab.運営。「Notsu」は坊津をもじった言葉。「Lab」には研究所という意味を込めています。 坊津の風景や日常を、観察するように発信しています。

映画『007は二度死ぬ』とは?

1967年に公開された『007は二度死ぬ(You Only Live Twice)』は、ジェームズ・ボンドシリーズの第5作目です。

ショーン・コネリーが主演を務め、シリーズ史上初めて日本を舞台にした作品として知られています。

脚本は『チャーリーとチョコレート工場』の原作者ロアルド・ダール、監督はルイス・ギルバートが担当しました。

日本側からは丹波哲郎がタイガー田中役で出演し、浜美枝と若林映子がボンドガールを演じています。

公開年1967年
シリーズ第5作目
主演ショーン・コネリー(ジェームズ・ボンド役)
日本人出演丹波哲郎、浜美枝、若林映子
監督ルイス・ギルバート
脚本ロアルド・ダール
日本のロケ地東京・神戸・姫路・鹿児島(秋目・霧島)など

なぜ坊津町秋目が選ばれたのか

坊津は歴史的に「日本三津(さんしん)」の一つに数えられた交易の要所で、奈良時代には鑑真和上が日本本土へ初上陸した地としても知られています。

手つかずの自然と美しい入江、そして当時の日本の原風景が色濃く残っていたことが、ロケ地として選ばれた大きな理由と考えられています。

撮影隊がやってきたのは1966年7月のこと。

秋目の集落は今も当時の景観を大切に保っており、国内外のボンドマニアにとって「まさに聖地」とも称されています。

秋目で撮影されたシーン

映画の中で秋目が登場するのは主に、ジェームズ・ボンドが日本人漁民に変装して潜伏するパートです。

ボンドが漁民として生活するシーン

麦わら帽子に首タオルというスタイルで秋目港を歩くボンドの姿は、映画の中でも印象的な場面の一つです。澄み切った秋目浦の海を背景に、当時の日本の暮らしぶりが丁寧に映し出されています。

キッシー鈴木との偽装結婚生活

ボンドガール・キッシー鈴木(浜美枝)と、敵のアジトへ乗り込む前に偽装結婚生活を送った家として、秋目のある民家が選ばれました。この家は現在「キッシー&ボンドの家」として親しまれています。撮影班は家の壁を一部撤去してカメラを収め、撮影終了後に壁を修復して帰ったという逸話も残っています。

ジャイロコプターが飛ぶシーン

秋目地区周辺の上空を小型オートジャイロ(リトル・ネリー)が飛ぶシーンも登場します。桜島や霧島連山・新燃岳の上空も映し出され、鹿児島の雄大な自然が世界に披露されました。

秋目浦での潜水シーン

秋目浦の透明度の高い海に潜るシーンも撮影されており、その美しさが印象に残ります。

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知られざる撮影秘話

コネリーの妻がキッシーの代役に

坊津での撮影で困ったのが、海女役の潜水問題でした。浜美枝は泳ぐことはできたものの潜水は苦手で、日本人エキストラも同様の状況でした。そこで名乗り出たのが、ショーン・コネリーに同伴していた妻のダイアン・シレントです。幼い頃から泳ぎが得意で長時間の潜水もできた彼女が、キッシーが潜るシーンをすべて演じました。

松岡きっこ、数秒の出演に厳しいオーディション

海女の少女役で松岡きっこがほんの数秒だけ出演しています(ジャイロコプターを見上げる役)。本人によれば、このわずか数秒の出演でさえ厳しいオーディションが行われたといいます。

浜美枝と若林映子、役が入れ替わった

当初は若林映子がキッシー鈴木役、浜美枝が公安エージェントのスキ役の予定でした。しかしギルバート監督が浜の英語力ではセリフの多いスキ役は難しいと判断し、二人の役を入れ替えることになりました。結果としてキッシーのセリフが大幅に減らされています。

007撮影記念碑

秋目漁港を一望できる小高い丘に、007撮影記念碑が立っています。

地元の方々の長年の尽力によって1990年に建立が実現しました。

碑には鹿児島大理石が使われており、プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリ氏による「ここ秋目で撮影された」という英文証明と、ショーン・コネリー、丹波哲郎両氏のサイン複写が刻まれています。

記念碑は国道226号線の海側にひっそりと建っています。うっかり通り過ぎてしまうほど控えめな存在感ですが、近くを通る際はぜひ立ち寄ってみてください。鑑真記念館のすぐ近くにあります。

建立年1990年(平成2年)
素材鹿児島大理石
刻まれた名前アルバート・R・ブロッコリ(P)、ショーン・コネリー、丹波哲郎
近隣スポット鑑真記念館(徒歩すぐ)、秋目漁港

キッシー&ボンドの家

実際に撮影が行われた古民家(通称:キッシー&ボンドの家)は、ロケ当時のまま残っている唯一の建物として貴重な映画史料となっています。

香港からのインバウンドツアーの行程に組み込まれるなど、国内外のファンが訪れる聖地です。

ただし私有地のため、建物への立ち入りには許可が必要で、近年は老朽化が進んでおり外観のみの見学にとどまっています。

2024年には地元住民が「一般社団法人 007 AKIME」を設立し、築58年以上が経過した古民家の保存・修復に向けてクラウドファンディングで支援を募っています。将来は小さな資料館として再スタートさせる構想もあり、秋目の宝を次の世代へ繋ごうとする取り組みが続けられています。

アクセス・観光情報

所在地鹿児島県南さつま市坊津町秋目
車でのアクセス鹿児島市内から約1時間30分/鹿児島空港から約2時間(レンタカー推奨)
道路県道20号線→国道226号線(海岸線沿いを南下)
入場料無料(記念碑は自由見学)
注意キッシー&ボンドの家は私有地。無断立ち入り不可
近隣スポット鑑真記念館、秋目漁港、民宿がんじん荘

まとめ

人口50名の小さな漁村・坊津町秋目は、半世紀以上前に世界的スパイ映画『007は二度死ぬ』のロケ地となった特別な場所です。

当時の面影を残す景色、撮影記念碑、そして古民家「キッシー&ボンドの家」は、007ファンならずとも胸を打つ歴史の証人です。鹿児島を訪れる際には、ぜひ足を延ばして秋目の聖地を巡ってみてください。

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